「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2013/03/21

ネロ・ウルフ推進計画

「腰ぬけ連盟」(R.スタウト著/佐倉潤吾訳/ハヤカワミステリ文庫)、読了。 日本で人気のないスタウト作品の復刊と未訳作品の翻訳を推進するには、 全国に百万人はいるとされる腐女子層に訴えかけるのが妙案だと思う。 そのとき「腰ぬけ連盟」は外せない一冊だろう。 美食と蘭に命を賭ける女嫌いの天才的安楽椅子探偵ネロ・ウルフと、 その忠実な部下、 記憶力と行動力抜群で女性にもてもての好青年アーチーの名コンビの活躍なのである。 凄腕だが偏屈な専属料理人も二人と一緒に同棲している。 なぜ、腐女子がここに目をつけないのか。 栗本薫(中島梓)はスタウトのマニアだったのだから、 まさに正統、お墨付き、とさえ言えよう。 ウルフが体重 1/7 トンもある巨漢なのは確かにネックだが、 そこは妄想力にものを言わせてほしいものだ。

また今日は寒いので、コートに逆戻り。 昼休憩の神保町散歩で、 「黄金の蜘蛛」(R.スタウト著/高橋豊訳/ハヤカワ・ポケット・ミステリ 177)、 「美食の歓び」(キュルノンスキー&ドリース著/大木吉甫訳/柴田書店) などを買う。 「黄金の蜘蛛」は昭和30年発行、当時の値段は 150 円。 夕方退社して帰宅。

夕食は御飯を炊いて、だしをひく。 柳葉魚と蚕豆を焼いて、酒を冷やで一合ほどで始め、 続けて、冷奴(茗荷と大葉に椎茸醤油)。 飲みながら、"The Nero Wolfe Cookbook"(R.Stout 著/ Cumberland House)の、 かの有名なスクランブルド・エッグのレシピを読んでいたら、 急に卵が食べたくなり、 卵かけ御飯(大葉刻み)。菠薐草の味噌汁。 食後にピンクグレープフルーツを少し。