「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2013/08/25

牡蠣と半クラウン

昨夜は久しぶりに、熱帯夜ではなかったようだ。 寝室を出てもそれほど暑くない。外は小雨。 どうやら今日は久しぶりに、真夏日にもならないらしい。 珈琲、ヨーグルトだけの軽い朝食のあと、朝風呂。 湯船の読書は「若い読者のための世界史」(E.H.ゴンブリッチ著/中山典夫訳/中公文庫)。 ナポレオンの興亡。 午前の残りはラテン語の短文解釈など。

早めの昼食は、サンドウィッチ三種(胡瓜、チーズ、卵)、冷やした無花果を一つ、スパークリングワインを一杯だけ。 しばらく食休みをしてのち、午後は料理の仕込みや家事のあれこれ。 ポテトサラダと、鶏手羽の黒酢煮を作った。

夕食の支度。鶏手羽の黒酢煮、マカロニサラダ、葱のチキンスープ、御飯。 夜は、「神曲 地獄篇」(ダンテ著/平川祐弘訳/河出文庫)と、 「シャーロック・ホームズの最後のあいさつ」(A.C.ドイル著/阿部知二訳/創元推理文庫)。

この「最後のあいさつ」所収の「瀕死の探偵」の有名なホームズ語録に、 「大洋の底がどうしてぎっしりと牡蠣だらけになっていないのか、ぼくにはわからん」がある。 この知名度の高さに比べると、「半クラウン」の方は全くと言っていいほど知られていない。 ホームズがワトスンに半クラウン硬貨を何枚持っているかと尋ね、 ワトスンが五枚だと答えると、「ああ、少なすぎる、少なすぎる!実に運が悪いな」と嘆いた上で、 半クラウンは全部、時計用のポケットに入れて残りの小銭はズボンの左ポケットに詰めろ、 などとワトスンに指図するのだが、 この「半クラウン」は「牡蠣」よりギャグとして完成度が高いと思う。

今、思いついたことには、パブあるいはオイスター・バーの店名として「牡蠣と半クラウン」 は、なかなか洒落ていると思うのですが、どうですか。