「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2013/09/23

江戸の風評被害

昨日よりはかなり涼しくなったが、それでもまだ最低気温が 20 度を切ってくれない。 「開口閉口」(開高健/新潮文庫)で冬の羅臼の居酒屋の話などを読んで慰める。

いつもの朝食をとっていると、荷物が届いた。 奇特な方が野菜など色々を送って下さったものである。 ありがたし。特に東京では高価な酢橘を沢山。 これからの秋刀魚の季節になくてはならないし、 自家製ポン酢も丁度切れたところなので仕込みに使わせていただこう。

昼食はカレーライスと、隠元のサラダ。巨峰を少々。 しばらく昼寝。 午後は料理の仕込みと、合間の読書。 「江戸の風評被害」(鈴木浩三著/筑摩書房)。地味ながら面白い。 「蕎麦を食べると当たって死ぬ」(水害で使えなくなった綿畑で育てた蕎麦が有毒「らしい」)、 「馬がしゃべった」(馬が疫病の流行を予言した「そうだ」)などの一見は滑稽に思えるものから、 上水道への毒物混入、大地震などの天変地異、金融相場などに関連する風評被害、神社仏閣の風評利益など、 江戸時代の様々な風評と幕府の対応を通して、群集心理と社会システムを論じる書。

夕餉の支度。 御飯を炊く間に、獅子唐を網焼きして、冷酒を少々。冷酒もいただきもの。 鶏胸肉の照り焼きに青紫蘇、しらすと大根おろしに二杯酢、隠元の味噌汁。 食後に烏龍茶。