「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2013/10/31

海苔弁

何故だか今日は金曜日のような気がしてしようがないのだが、木曜日。 いつもの朝食のあと、お弁当を適当に詰める。 今日はお弁当におかずが一品足りないな、 ということがしばしばあるものだが、そういう時には海苔弁だ。 醤油をからめた鰹節と海苔を御飯の間に挟むだけで、急に充実。 海苔弁って誰が最初に考えたのかなあ。

歩いて出社。パラメータ調整のような地味で時間のかかる作業に、気長にとりかかる。 夕方退社。帰宅して、お風呂。湯船の読書は 「文学のレッスン」(丸谷才一/聞き手・湯川豊/新潮文庫)。 どこがどうとは説明し難いが、湯船でゆるゆると読むのにぴったりな本だ。

夕食の支度。細葱入りの厚焼き卵、叉焼、茄子の塩揉み、豚肉抜きの豚汁、御飯。 食後に林檎(ふじ)を一つ。

2013/10/30

「枕頭問題集」の翻訳私家版

ディレクトリの奥深くに、かつて翻訳した C.L.ドジソン(ルイス・キャロル)の「枕頭問題集」のファイルを発見したので、 公開することにしました。

pdf ファイルは、こちら(pillow_problems.pdf) からダウンロードできます (Dropbox の公開サーヴィス)。 原稿を作成した LaTeX ファイルも、 GitHub リポジトリ github.com/kshara/Dodgson_translations にオープンソースとして公開しておきます。

もう随分と前のこと、某出版社の某編集者から翻訳を依頼されて、 "Pillow Problems" などドジソン関連の文書を翻訳をしたところ、 (よくあることだが)しばらくして音信不通、結局、うやむやにされてしまったもの。 "Pillow Problems" の翻訳は既に、「枕頭問題集」(柳瀬尚紀訳/朝日出版社エピステーメー叢書)があるし、 「ルイス・キャロル解読―不思議の国の数学ばなし」(細井勉著・訳/日本評論社)の中にも含まれている。 私の稚拙な翻訳、しかも初稿などハードディスクの肥やしにしておいても良いのだが、 何かの役に立つこともあるだろう、と思い直した。 また、ソースの方は、定期試験や入試問題のネタ探しをしている人には、 LaTeX から起こす手間が省けて便利かも知れない。

この私家版翻訳の欠点としては、今のところ図が全く入っておらず初等幾何学の問題が読み難いことだが、 著者が眠れない夜に頭の中だけで解いたのだから、図を見ないのがフェアというものかも知れない。 良い点としては、確率の問題に対して現代的立場からの私の注釈が入っていることをアピールしたい。 当時はルベーグ積分論やコロモゴロフによる確率の公理化以前の時代だから、確率の問題にはおかしな箇所が多い。 しかし、さすがキャロルはただものではない、という面もあって、 雑誌に投稿した記事や書簡からは、キャロルが確率の扱いに混乱しながらもその矛盾に迫っていることもうかがわれるのだが、 それはまた別の機会に。

2013/10/29

普通の火曜日

雨が降りそうで降らない、暗い曇り空。 いつもの朝食のあと、適当にお弁当を詰めて出勤。 平々凡々と平均的、江分利満的、安部礼司的にオフィスで過して、夕方退社。

帰宅してまずお風呂。湯船の読書は 「高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学」(菅原晃著/河出書房新社) 。読了。 夕食の支度。 茄子と豚肉の黒酢炒めで、リースリングを一杯だけ。 のち、長葱入りの炒り卵、しらすに自家製ポン酢、御飯、切干し大根の味噌汁。 食後に林檎(ふじ)を一つ。

2013/10/28

下手の横好き

やれやれまた月曜日だ。 平日のいつもの納豆定食の朝食のあと、 昨日の酢飯の残りでしらすちらしのお弁当を作って、出勤。

夕方退社。 帰宅して、まずお風呂。湯船の読書は 「酒の肴・抱樽酒話」(青木正児著/岩波文庫)。 「三国志」魏志の東夷伝に「倭人国、其人ハ性酒ヲ嗜(この)ム」と記されているとのこと、 日本人は昔から酒好きとして外国にまで名を馳せていたらしい。 私は日本人はおおむねアルコールに弱い体質であると思ってきたし、 その証拠には事欠かないと思うのだが…… いわゆる下手の横好き、みたいなことかも知れない。

御飯を炊き、一日休ませた豚肉を蒸している間に、焼き茄子で冷酒を五勺ほど。 のち、蒸し豚のスライスに粗塩と辛子を添え、じゃが芋と玉葱のサラダ、 切干し大根の味噌汁、御飯。 食後に林檎(ふじ)を一つ。

2013/10/27

秋鯖と秋茄子

昨日など夕方に「昼寝」をしたのだが、何の問題もなく夜早い時間に就眠して、 今朝も遅くまで寝てしまった。いくらでも眠れる。 おそらく夏の間にたまった疲れから回復しようとしているのだろう、 これは身体の防衛機能に違いない。と、納得しておく。

珈琲だけの朝食を済ませて、洗濯をし、食材の買い出しに出かけ、 鯖と豚肉ブロックにそれぞれ塩をしておいて、朝風呂に入る。 湯船の読書は、「高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学」(菅原晃著/河出書房新社) 。

昼食は、豚肉ブロックの端の余り肉を使って、豚肉と長葱のうどんすき。 豚肉の本体は一日置いてから蒸し豚にする予定。 食後にしばらく昼寝。 午後も家事と、その合間の読書。 じゃが芋と玉葱だけの単純ポテトサラダと、長葱としらす入りの卵焼きを作った。

夕食の支度。ベタ塩しておいた鯖を酢でしめて、まず腹身を短冊造りにする。 また、秋茄子を塩もみして辛子と和える。この二品で冷酒を五勺…… と思ったのだが、両方ともあまりに美味し過ぎて、一合飲んでしまった。 締め鯖の残りは鯖鮨にして、落とし卵の澄まし汁を添える。

2013/10/26

おむすび

早朝はまだ台風の影響で大雨が続いていたが、家を出る頃には弱まってきた。 大葉刻みのオムレツ、イングリッシュマフィン、珈琲の朝食のあと、 定例のデリバティブ研究部会自主ゼミへ。 必ずしも二乗可積分でない独立変数列の収束と中心値・散布度。

参加メンバでのゼミ後のランチは、フレンチ。 値段の割にたっぷりしたコースで、デザートまで充実。美味しかった。 ワインもスパークリングと赤を少々。 帰宅して、やはり昼寝。相変わらず、ナルコレプシーかと思うくらい良く眠れる。

昼に食べ過ぎたので、夕食はあっさり、梅おむすびと切干し大根味噌汁のみ。 やはり、おむすびは単純でいて、間違いのない美味しさ。

2013/10/25

中酒

小雨の降る朝。 いつもの納豆定食の朝食のあと、適当にお弁当を詰めて出勤。 今日も、徒歩通勤。 夕方退社。

金曜は夕食の支度をサボることにしているので、帰り道で餃子を十二個買っていく。 店で食べてもいいのだが、私は焼き餃子水餃子に関わらず、 餃子は黒酢または香醋で食すのを最上とするので、買って帰ることが多い。 餃子屋は餃子のタレなんかの代わりに黒酢を置いてほしいものだが、なかなかそういう店がない。

帰宅して、まずお風呂。 湯船の読書は「酒の肴・抱樽酒話」(青木正児著/岩波文庫)。 江戸時代に「中酒」の奇妙な習慣があったという話を読む。 「中酒」とは茶懐石や祝儀の席の本膳であるように、飯と茶の間に酒を出すことだが、 江戸時代の初期には、その中酒を今食べたばかりの汁椀や飯椀に注いで飲む習慣があったらしい。 あまり良い趣味と思えないが、愉快な趣向ではある。 ちなみに、漢語では「中酒」の意味が違って、「酒ニ中(あた)ル」、つまり、二日酔いのことだそうだ。

餃子十二個を温め直し、香醋で食す。冷えた贋ビールを一杯だけ。 あつあつ餃子に冷たいビールも小確幸。 平和な良い週末だが、 東京は明日の朝にかけて大荒れらしく、大雨洪水警報が出ている。

2013/10/24

秋刀魚

曇り空。雨が降りそうで降らない一日。 台風の影響は明日からか。 いつもの朝食のあと、お弁当を適当に詰めて、出動。 今日もオフィスまで歩いて行く。 夕方退社。 帰り道で秋刀魚一匹を 98 円で買う。

帰宅して、まずお風呂。 湯船の読書は、 「高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学」(菅原晃著/河出書房新社) 。 御飯を炊く間に、秋刀魚を塩焼きにする。 大根おろしと酢橘を添えて、冷酒五勺ほど。秋刀魚は旨い。 焼き立ての秋刀魚に酢橘を絞り、大根おろしを添えたもの以上に美味しいものは、 世の中になかなかない。 今年は少々値段が高いが、それでも小振りなものはタイミングを測れば一匹百円程度で買えるので、非常に経済的である。 のち、ピーマンの炒めもの、卵かけ御飯(大葉)、切干し大根の味噌汁。 食後に林檎(トキ)を一つ。

夜はラテン語の勉強と、「高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学」の続き。

2013/10/23

睡魔

曇り空。 平日いつもの納豆定食の朝食。水曜日でお弁当作りは休みなので、ゆっくりした朝。 オフィスまで歩いて行く。昼食は近所のカレー屋にて。夕方退社。

帰宅してまずお風呂。 湯船の読書は、「檀流クッキング」(檀一雄著/中公文庫) 。 さて、夕食の支度。 御飯を炊いている間に、しらす大根おろしに酢橘と醤油で、冷酒を五勺ほど。 のち、人参炒め、青椒肉絲、大根の味噌汁、御飯。 食後に林檎(トキ)を一つ。

季節のせいだろうか、更年期障害だろうか、と書くのがお決まりになってきたが、 最近、夜になると眠くてしょうがない。 帰宅したら、ラテン語の勉強もしたいし、「神曲」の読解もしたいし、 トゥキュディデスの「歴史」も読みたいし、 "Stochastic Processes" 自主ゼミの予習に、料理の仕込みに、あれこれすべきこともあるのだが、 夕食が済んだら眠い。いや、暗くなるともう眠い。 どうやら、日が出ているうちに全て片付けておかないといけないらしい。

2013/10/22

花彫

布団が気持ち良過ぎて、このままずっと寝ていたい。 覚醒とは本質的に不快なものなのです、と呟きながら起床。

珈琲、ヨーグルト、イングリッシュマフィンにバタ、目玉焼き、ソーセージの朝食。 昼食用に、御飯と作り置きの惣菜を弁当箱に詰める。 野菜ばかりで惣菜がちょっと寂しかったので、御飯の間に海苔と鰹節を挟んで、いわゆる海苔弁にした。

いつものように夕方も早い時間に退社。 帰宅して、お風呂に入ってから夕食の支度。 今日のメインは麻婆豆腐。 御飯を炊いている間に、ピーマンの炒めものと大根の炒め煮でリースリングを一杯だけ。 のち、麻婆豆腐、葱のスープ、御飯。食後に林檎(トキ)を一つ。

夜は「華国風味」(青木正児著/岩波文庫)より「花彫」、あるいは、 "Death times three" (R.Stout 著/ Bantam Books)より "Assault on a Brownstone" を読んだりして、静かに過す。

2013/10/21

ポトフ

いつもの朝食のあと、 時鮭としめじの炊込みご飯の残りと作り置きの惣菜を適当に弁当に詰めて出勤。 不安定な気候のせいか、更年期障害のせいか、それとも月曜日のせいか、調子はもう一つ。 流し打ち気味に作業をして夕方退社。

帰宅してお風呂に入ってから夕食の支度。 しめじのオムレツ、ソーセージとパスタ入りのポトフ。リースリングを少々。 グラスに残ったリースリングでブリーチーズを少し、林檎(トキ)を一つ。

夜はラテン語の暗唱カードを二枚作ったあと、ダンテ「神曲」や、 "Death times three" (R.Stout 著/ Bantam Books)より "Assault on a Brownstone" 。

2013/10/20

ぬる燗

ああ良く寝た。どうやら今日は一日雨らしい。 たまには洋風の朝食にしてみようと思い、 珈琲、ヨーグルト、スクランブルドエッグ、茹でソーセージ、イングリッシュマフィン、林檎(トキ)一つ。 まだマフィンを焼くところにまで至っていないので、出来合いのもの。 朝風呂に入って、湯船で 「高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学」(菅原晃著/河出書房新社) を読む。 そのあと午前中は、デリバティブ研究部会自主ゼミの予習。無限分解可能分布。

昼食は手間をかけず、昨日の残りの時鮭としめじの炊き込み御飯(大葉と酢橘)、蕪の糠漬、長葱としめじの味噌汁。 合間に大根の豆板醤炒め煮もお弁当用に作っておく。 食後に昼寝しようかと思ったが、夕方まで寝てしまいそうだったので、 珈琲で目を覚まして、午前中の予習で計算していなかったところを詰めたり(平行移動した測度の畳み込み)、 スタウトの中編集 "Death times three" (R.Stout 著/ Bantam Books)より "Assault on a Brownstone" を読んだり。 夕方になって、掃除など家事のあれこれ。ちょっと早い気もしたが、居間にカーペットを出した。

さて夕食。米を炊いている間に、湯豆腐に自家製ポン酢で純米酒のぬる燗を五勺ほど。 のち、豚丼。蕪の葉のひたしと、長葱と生姜のスープを添える。 夜は "Assault on a Brownstone" の続きを読んだり、 日曜日の夜のリチュアルとして包丁を研ぎながら人生を考える。

2013/10/19

土曜日

週末は「古楽の楽しみ」が放送されないので、寝坊しがち。 昨夜は外食だったので、朝食はヨーグルトと珈琲だけにしておく。 洗濯をしたあと、朝風呂に入る。 湯船の読書は「高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学」(菅原晃著/河出書房新社)。

湯上がりに、金時豆の煮込みを肴にシャルドネを少々。 そのまま早めの昼食に移る。豚肉と玉葱の生姜大蒜炒め、蕪の葉のおひたし、黒酢と長葱の焼きそば。 食後に猫と昼寝。随分涼しくなったおかげで良く眠れて困る。 午後は食材の買い出しと、 「チューリングの大聖堂」(G.ダイソン著/吉田三知世訳/早川書房) など。 お三時は林檎(トキ)を一つと珈琲。

夕方になった。 しらす大根おろしに自家製ポン酢、冷奴に大葉と生姜に生醤油で、冷酒をひょっとこの杯に一杯だけ。 酔フヲ厭ワズ、貧シキヲ悔イズ、今日も良い一日であるなあ。 そうしているうちに、時鮭としめじの炊き込み御飯が炊きあがった。 お櫃で蒸らしている間に、長葱と溶き卵のスープも作る。

夜もダンテを読んだりして静かに暮す。

2013/10/18

左翼女子

あまり体調の優れぬまま週末を迎えた。 今日も比較的涼しいので、徒歩で出勤。 今日のお弁当の黒酢焼きそばは美味しかった。

夕方退社して、近所の店でヱビスビールを飲んでいると、 丁度岩波ホールでの映画が終わったあとらしき、 洒落た帽子をかぶった上品なお婆さん二人がやって来て、隣のテーブルに座った。 何とはなしに話を聞いていると、どうやら昔はちょっとならした活動家らしく、左翼話に花を咲かせている。 一方が、デモと孫の運動会の日程が重なったので少し悩んだが無論、孫よりデモをとった、 と話すと他方が、さすが○子様だわあ、と言っていた。 ほのぼのした良い週末である。

2013/10/17

陶然亭

ようやく少しは過し易くなってきたような。 私が正常に動作する推奨環境温度は 0 度から 10 度なので、まだやや暑い。 昼休憩に珈琲豆を買うついでに、 「華国風味」(青木正児著/岩波文庫)より「陶然亭」などを読みながら一服。

昔、京都の高台寺あたりに「陶然亭」という名の、酒好きというものを深く心得た店があった、という話。 店の様子や、仕組み、その全ての品書きまで、非常に詳細に書かれていることだし、 誰か、今の世の中にこの店を復元(?)してみたらどうだろうか。 戦前戦中とは違って、今ではありとあらゆる居酒屋がありそうなものだが、 こういう店はないだろう、と思わせるところからして、 そもそもこの「陶然亭」は本当に存在したのだろうか、という気もする。 夕方退社し、近所で散髪をして、帰宅。

時鮭の塩焼、金時豆の煮物、蕪の葉のおひたしで、冷酒を五勺ほど。 そのあと、そうだ「カープソース」を使わねば、と焼きそばを作る。 お好み焼きソースを使い方としては、やはり焼きそばは無難。 この前、卵焼きのだしに使ってみて、ちょっぴり後悔したように、 こういう専用調味料はあくまでそれ専用に近い範囲で使うべきなのだろう。

2013/10/16

朝の台風

夜の間は強い雨が降っていたが、朝には雨は止んで代わりに激しい風。 外に出られそうにないので、午前中は自宅待機。 昼時になって風も弱まってきたので、水曜日のランチがてら出勤。 地下鉄はまだダイヤの乱れが続いている。 インド料理屋でラムのカレー。 夕方退社して、歩いて帰る。 ずいぶんと涼しくなった。長袖でもシャツ一枚では足りないくらい。

帰宅してお風呂に入ってから夕食の支度。 今日もあたため企画で、水餃子。長葱も一緒に茹でて、黒酢とおろし大蒜でいただく。 水餃子は茹で立てが美味しいので、三つずつ茹でて、食べている間に次の三つが茹で上がる作戦。 食後にシャイン・マスカットを少々。 晩酌にブリーを少々とシャルドネを一杯だけ。

夜はお弁当のおかずの仕込み。 岩谷時子の「ろくでなし」など口遊みながら、時鮭の切り身を焼き、豚肉と玉葱の生姜炒めも作る。

2013/10/15

子母沢流うどんすき

午後から雨が降り始めた。 夕方の帰宅時には既にかなり強い雨。 明日の朝あたりに、巨大台風が直撃するらしい。 なんだかわくわくするなあ。

帰宅して風呂に入ってのち、夕食の支度。 夕食は子母沢寛の「豚肉のうどんすき」。 鍋に湯をたぎらせ、これに豚肉を入れ、 ぐたぐたと煮立てた中へ、うどんをさっと入れて、 玉がくずれてさらさらとなったところをつまみあげて下地をつけて食べる、 というものである。 うどんの茹で加減がポイントで、芯まで熱くならない程度にさっと茹でるのだそうだが、私は特にこだわらない。 また、下地は醤油一、味醂一、昆布だし四の割合が直伝らしいが、大根おろしに生醤油もいいと思う。

晩酌は激しい雨音を聞きながら、ブリー少々を肴に、シャルドネを一杯だけ。 ラテン語の不規則変化動詞の暗唱用のカードを作り、また、 「酒の肴・抱樽酒話」(青木正児著/岩波文庫)を読む。いい夜だ。

2013/10/14

適口

ああ良く寝た。まだ喉にいがらっぽさが残っている。 いつもの納豆定食の朝食ののち、朝風呂に入る。 湯船の読書は「酒の肴・抱樽酒話」(青木正児著/岩波文庫)。

白楽天の夏日作に曰く、止於適吾口。 夜の雨に顔を出した筍は若く、朝露に濡れた園の青菜は新しい。 青菜を煮て、筍を焼けば、朝食にけっこう間に合う。 わが口に適いさえすればよい(吾口ニ適スルニ止ル)、何も贅沢するにおよばない、とのことである。 「適口」が奥義なのだろうなあ。

昼食には、明日のお弁当用に鶏胸肉のローストを作り、その一部を使ってオムライス。食後、一時間ほど昼寝。 午後は「チューリングの大聖堂」(G.ダイソン著/吉田三知世訳/早川書房) を読んだりして、安静に過す。

夕食は鶏胸肉と蕪の葉を小鍋仕立てにする。 自家製ポン酢はまだ熟成中なので、黒酢ベースのたれで食す。 シャルドネを一杯だけ。 あとは雑炊にする。食後にシャイン・マスカットを少々。

夜も「酒の肴・抱樽酒話」を読んだり。 私の食関係書架は中国料理が圧倒的に弱いのだが、 青木正児を読んでいると、今すぐ専門古書店の中国料理棚で色々求めたくなる。 いや、料理に限らず、そもそも漢籍の教養が全くないことを反省して、 ここで青木正児全集を揃えたりしちゃおうかなあ。

2013/10/13

F・カルパッチョ氏

今日も夏日とは言え比較的に涼しい。 納豆定食の朝食のあと、朝風呂に入って、湯船で 「フェデリコ・カルパッチョの極上の憂鬱」(木暮修訳・註/幻冬舎) を読む。いい休日である。

90 年あたりの "ELLE Japon" に連載されていたエッセイで、 当時、この 1 ページだけを立ち読みしていたなあ。 ドットーレ・コグレの亡き後、カルパッチョ氏も姿を消して久しいが、 今頃、イタリアの片田舎に隠棲し、 謎の国ニッポンの沢山の女性たちのことを懐しく思い出しながら、 何の変哲もないソーダガラスの寸胴グラスでワインを流しこんでいることだろう。

昼食は長葱としめじとアンチョビのスパゲティーニ。シャルドネを一杯だけ。 その一杯を飲み切れなかったので、ブリーを少々切る。 午後は料理の仕込みをしたり、 「チューリングの大聖堂」(G.ダイソン著/吉田三知世訳/早川書房) を読んだりして、安静に過す。

夕食には、大振りの秋刀魚一匹を塩焼きにし、大根おろしと酢橘を添える。 他に金時豆の煮物、人参の千切り炒め、蕪の葉の味噌汁、御飯。 食後に、シャイン・マスカットを少々と柿を一つ。

2013/10/12

メシュイという料理

ああ、良く寝た。まだ若干風邪気味。 朝食は珈琲と柿一つ。 午前中は朝風呂のあと、家事を少し。 人参の千切りの炒め物を作った。

昼食はやはり温かい麺類で、月見蕎麦。長葱としめじと海苔。 食後にしばらく昼寝。 午後は「チューリングの大聖堂」(G.ダイソン著/吉田三知世訳/早川書房) を読んだり、アナログ TV で「赤い霊柩車」の再放送を観たり、のんびり過す。 一体いくつになるまで、明子はんとドクターは「婚約者」だと主張し続けるつもりなのか。

夕方になったので、米を研いで浸水の間、自分も風呂に浸水。 湯船の読書は「食卓は人を詩人にする」(山縣弘幸著/潮出版社)。 私の食・料理関係の本棚の中でも、特に愛着のある一冊である。 一つの話題が一ページなので、どこからでも読み始め、読み終えられて結構だ。 今日、読んだところには「メシュイ」というアラビア料理のことが出ていた。 基本的には仔羊の丸焼きだが、うっとりするような詩情がある。

仔羊の内臓を抜いて、腎臓だけを腹に戻し、細かく刻んだ玉葱、塩、胡椒、バターも一緒に詰める。 そして、木片と洗った小腸を使って腹を閉じる。なぜなら鉄のピンは肉に嫌味をつけるし、紐の類は燃えてしまうからだ。 これを串刺しにして、地面に掘った溝に渡し、薪で焼く。有塩の溶かしバターを刷毛で塗りながら、炭火の遠火で。 ナイフで刺してピンク色の肉汁が出なくなったら出来上がり。皮はカリカリ、肉はこんがり。 各人が好きな部位を手でちぎって、指で食べる。一番のご馳走は、腎臓だそうである。 でもって、食べ終わると、薔薇で香りをつけたぬるま湯で指を洗う。 締め括りは、一杯の珈琲と一服のパイプ。 この料理の本当の味わいを知るには、砂漠の中、降るような星空の下で、 寡黙なアラブ人に囲まれて食べなければならないだろう。

夕食も手間をかけずに御飯だけ炊いて、レトルトのカレーライスにしておく。 粉末の鶏ガラスープの素で生姜と葱と人参皮のスープを前菜にし、カレーライスにはらっきょうの甘酢漬けを添える。 シラーズの最後の一杯も。食後に柿を一つ。

2013/10/11

真夏日

朝方に降った雨で濡れた地面を、日が照りつけている。 見るからに蒸し暑い。 平日用の納豆定食の朝食をとり、お弁当を作って、出勤。 予定通り今日のお弁当は焼豚丼。他に、豆の煮物、大根炒め、隠元の胡麻和え。 冴えないままに粛々と作業をして、夕方退社。 この不快さは体調のせいなのか、この天候のせいなのか。

風邪っぽい時はやはり、熱い麺類だな、と思って、 夕食は自家製焼豚で叉焼麺。長葱、しめじ、卵をトッピング。 生姜と大蒜入り。

2013/10/10

老年について

相変わらず体調はいまひとつ。 朝食とお弁当作りのあと出勤。 昼休憩に新刊書店で 「歴史 (上・下)」(トゥキュディデス著/小西晴雄訳/ちくま学芸文庫) を買った。 夕方退社。相変わらず、蒸し暑い。温かく湿った空気。 今週は駄目駄目だ。とにかく明日をやり過して、いや失敬、乗り切って、三連休をゆっくり休もう。

帰宅してお風呂に入ってのち、夕食の支度。 御飯を炊いている間に、作り置きの焼豚と隠元胡麻和えでシラーズを一杯だけ。 焼豚が美味しい。明日のお弁当は焼豚丼にしよう、と心積もりする。 のち、肉じゃがの残り、しめじと若布の味噌汁、卵かけ御飯。 食後に巨峰を少し。

夜はラテン語の勉強をしたら、「老年について」(キケロー著/中務哲郎訳/岩波文庫)でも読み返して元気を出すかな。

2013/10/09

八百屋

やはり風邪のようだが、症状は軽い。 いつもの朝食のあと出勤。今日も夏の蒸し暑さ。 今日も一番乗りだな、と思ったら、二人もオフィスに泊まっていた。ブラック? 水曜日なので昼食は外食だが、風邪に効きそうなものを考えた結果、 近所の昭和な店でスープカレー。やはりカレーだ。 新刊書店で「高校生からわかるマクロ・ミクロ経済学」(菅原晃著/河出書房新社)を買った。 夕方退社。 この不快さは、体調が悪いせいなのか、おかしな蒸し暑さのせいなのか。

帰り道の八百屋で長葱を三本 150 円で買う。 この店は古いタイプの八百屋なので、長葱を新聞紙でくるんで渡してくれる。 もちろんレジなどなく、お金は笊に出し入れしている。 片手に長葱を持って帰宅。

お風呂に入ってから、夕食の支度。 隠元の胡麻和え、蒸し豚の端っこを使って豚汁(長葱、しめじ、人参、大根皮)、鯖の梅煮、御飯。 食後に巨峰を少しと、柿を一つ。

夕食の支度の他に、残りの蒸し豚をたれで焼いて焼豚にしたり、 大量にいただいた酢橘で冬の鍋用のポン酢を仕込んだり。

2013/10/08

寒露

喉がいがらっぽい。身体もだるいような気がするし、風邪かしらん。または、更年期障害。 いつもの朝食とお弁当作りのあと出勤。 朝から蒸し暑い。夏だ。暦の上では「寒露」だが。

今朝もオフィスに一番乗り。 昨日に続き体調がよろしくないので、比較的単純な作業で過す。 夕方、退社。やはり風邪のような気がする。

帰宅してお風呂に入ってから夕食の支度。 身体の温まるものにしようと、昨日作った蒸し豚を使って野菜も沢山の豪華ラーメン。 ベースは徳島製粉の「金ちゃんラーメン」だけれども。

夜は、グレイ卿の「フライ・フィッシング」(E.グレイ著/西園寺公一訳/講談社学術文庫) を読んだりして、安静に過す。

2013/10/07

低調な月曜日

月曜日らしく朝が辛い。 何とか、いつもの平日用朝食の納豆定食を用意し、 おかずを適当に詰めて海苔鮭弁当らしきものを作り、出勤。 曇り空で、少し蒸し暑い。 月曜日らしく低調。とりあえず手を動かした方がいいので、何とか簡単な作業をこなす。 夕方退社。

帰宅して、お風呂に入ったあと夕食の支度。 昨夜から塩をして休ませておいた豚肩肉を蒸し豚にする。 御飯を炊いている間に、粗塩少々だけで蒸し豚を味見しつつ、シラーズを一杯だけ。 蒸し豚うまい。シラーズにはあわないが、毎回の料理にあわせてワインを買えるほどお大尽ではないのでやむを得ない。 御飯は、鯖の梅煮、隠元の胡麻和え、豚肉抜きの豚汁。 食後に巨峰少しと柿一つ。

夜はラテン語の動詞活用の暗唱カードを作ったり、ダンテ「神曲」関連の読書。

2013/10/06

懐かしい料理

昨日と変わって蒸し暑い曇り空。明日からしばらく、また夏日だとか。 もう明後日は寒露なのだがなあ。 珈琲とヨーグルトだけの朝食。洗濯などの家事をしてから、 朝風呂に入って、湯船で「そうざい料理帖 巻一」(池波正太郎著/平凡社) を読む。 午前中は食材の買い出しなど家事の続き。

昼食は、鯖の梅煮、蒸しブロッコリ、長芋のとろろ御飯、切干し大根の味噌汁。 私にとって最も懐かしい料理とは何だろうと考えた結果、鯖の梅煮かも知れないと思った。 もちろん子供の頃には特に好きでも嫌いでもなく、 マルシンのハンバーグとキャベツの千切り炒めのケチャップとウスターソースがけの方が、 はるかに私の中の地位は高かったが。

食後に二時間ほど昼寝。 午後は家事の他、その合間にグレイ卿の「フライ・フィッシング」(E.グレイ著/西園寺公一訳/講談社学術文庫) を読んだり。

二度目のお風呂に入ってから夕食の支度。 御飯を炊いて、メインは肉じゃが(牛肉、玉葱、じゃが芋、隠元)。 肉じゃがでニュージーランドのシラーズを一杯だけ飲み、 のち、肉じゃがの残り、しらす大根おろし、糸若布の味噌汁と御飯。 食後に巨峰を少しと柿を一つ。

2013/10/05

老いの金利モデル

朝から終日、雨。昨日に続き涼しい一日。 土曜日の簡易朝食と朝風呂のあと、午前中は自主ゼミの予習など。 昼食は、秋鮭としめじの炊き込み御飯の残りで済ませておく。 他に、長芋のとろろ汁、しらす大根おろし、金時豆の煮物。 しばらく昼寝。 体調が悪いわけではないが、どことなく疲れている感じ。 気候のせいでもあり、歳だからでもあろう。

確かショーペンハウアーが書いていたと思うのだが、 生命力の面では三十六歳までは金利生活者みたいなもので、今日使った分は明日になると元通りになっている。 しかし、それから後の年齢では、金利が下がって、それだけではやって行けず、元金を取り崩し始める形だ、と。 元金に手をつけた以上、後は減る一方で、最後は破産とあいなる。 哲学者だけに、なかなかうまいことを言う。

午後は読書や料理の仕込みなどでのどかに過す。 夕方になり、二度目のお風呂に入ってから夕食の支度。 蒸しブロッコリと茹で卵のサラダ、カレーライス、らっきょうの甘酢漬け。 ニュージーランドのシラーズを少々。 食後に巨峰を少し。

2013/10/04

B級サスペンス

夏のようだった昨日から、今日は急激に気温が下がった。 初老の身には急激な寒暖差がこたえるなあ、と思いつつ、朝食の支度とお弁当作り。 出勤して粛々と作業。 昼休憩に新刊書店で 「暮しの手帖の基本料理」を買った。 夕方退社。

夜は日比谷のみゆき座で映画 「パッション」(ブライアン・デ・パルマ監督/2012)を観る。 「ミッション・インポシブル」のヒットで今やハリウッドの大監督だとは言え、 デ・パルマにはB級サスペンスが良く似合う。 その窃視症的なテイストや、 ちょっと街角に停めた車を撮っただけで「デ・パルマだな」と分かる趣味の悪さ、いや失敬、趣味の良さ、 そして意味がありそうでなさそうな画面分割など、 一言で言うとデ・パルマらしさとは「見る」ことの多面的ないやらしさだと思うのだが、 そういうデ・パルマらしさはB級サスペンスでこそ生きてくるというものだ。

2013/10/03

お好み焼きソースで卵焼き

今日のお弁当は鮭としめじの炊き込み御飯、ポテトサラダ、 獅子唐とじゃこの炒め煮。結局、残りものを詰めただけで、今日もやや反省。 久しぶりにオフィスに一番乗り。 粛々とプログラミングに励む。 夕方退社。

帰宅して、お風呂に入ってから夕食の支度。 先日、親切な方が「カープソース」を送って下さった。 しかし、広島人でも大阪人でもない私は、 そんなにお好み焼きばかり食べるわけでなし、どうやって使ったものだろう、 と広島出身者に相談したところ、 「オタフクソース」のサイトに色々なレシピが出ているから参考にせよ、とのことだった。

すると、確かに様々なレシピがある。 例えば、和風の卵焼きの作り方として、卵 3 個に「オタフクソース」大さじ 1 と刻み葱を混ぜて焼く、 なんて書いてある。塩も薄口醤油も味醂もだしも不用。味付けは「オタクフソース」のみ。 これは試してみる一手だと思い(「オタフク」と「カープ」の違いはあるが)、 早速、今日の夕食のおかずの一品に作ってみた。

その結果だが、思った以上に普通の卵焼きができた。 色がやや悪くなるが、気になるほどではない。 味は、私にはやや甘く、やや塩が足りない。 だし巻きとはとても言えないが、卵焼きとしては悪くなかった。

2013/10/02

ビッグデータ

朝から雨。台風が接近中らしい。 いつもの朝食のあと出勤。 リリース直後だからか、 それとも季節の変わり目のせいか、体調を崩しているメンバが多いみたい。 水曜日なので昼は外食。近所のカレー屋にて。 夕方退社。台風が連れて来たらしい、温かく湿った空気。

お風呂に入ってのち夕食の支度。 今日のメイン、秋鮭としめじの炊き込み御飯を炊いている間に、豚の肝の生姜醤油煮のスライスで、冷酒を五勺ほど。 他に、獅子唐とじゃこの炒め煮、長芋のとろろ汁。食後に巨峰を少し。

「ビッグデータの正体」(V.マイヤー=ショーンベルガー&K.クキエ著/斎藤栄一郎訳/講談社)、読了。 「ビッグデータ」の考え方の本質を、「データを全部見る」、「データの質より量」、「因果より相関」 の三つのみに整理してうまく描いている。 すぐに陳腐化して移り変わって行く宿命の技術的詳細にこだわらずに、その思想だけをシンプルに伝えるという意味で良書だろう。 とは言え、そのおかげでやや極論に流れるところがあり、反論したくなる箇所が沢山あったけれども。

2013/10/01

ドロシーとダンテ

季節の変わり目で暑いような寒いような妙な天気が続く。 おかげで身体に疲れがたまっているのだろうか。 思いがけず寝坊して、お弁当作りに力を入れよう計画がいきなり挫折。 でも、冷凍しておいた秋刀魚ごはんを電子レンジで温め、 作り置きの惣菜を適当に詰めて、つまり、いつものお弁当を作り、出勤。

何とかいつもの時間に出社できた。 夕方退社。気温はそれほどでもないが、湿度が高くて、秋の空気ではない。 帰宅して、お風呂に入ってから夕食の支度。 秋鮭の塩焼、里芋の煮物、冷奴(茗荷、生姜)で、いただきものの冷酒を五勺。 矢鱈にうまい。送って下さった方、ありがとう……。 のち、徳島製粉の「金ちゃんラーメン」(細葱、蒸しブロッコリ)。 食後に巨峰を少し。

夜はラテン語の勉強をしたり、ダンテの「神曲」を読んだり。 「神曲」関連の本を読んでいると、これこれの箇所はドロシー・セイヤーズの英訳と注釈によれば、 などという記述がたまに出てくるのだが、「ひょっとして」と思って調べてみると、 やはり推理作家のドロシー・L・セイヤーズと同一人物だった。 ところで、彼女自身によれば、彼女が創造した探偵ピーター・ウィムジィ卿はフレッド・アステアとバートラム・ウースターのミックスらしい。 ほとんど記憶にないのだが、そんなに素敵なものだったかなあ。今度、どれかを再読してみよう。