「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2014/06/20

「ふたりで夕食を」

今日も雨が降りそうで降らない蒸し暑いだけの一日。

夕方退社して帰宅。風呂に入って湯船で、「ディナーで殺人を」(P.ヘイニング編/創元推理文庫)よりヴィカーズの「ふたりで夕食を」を読む。言わずと知れた「迷宮課事件簿」シリーズの一作。

この「ふたりで夕食を」では、殺人事件が起きた時点ではたっぷり二人分の夕食がテーブルに用意されていたのに、事件発覚の時には何者かによって綺麗に食べ尽されていた、それは何故か、という魅力的な謎が提出される。しかし、残念ながらヴィカーズはモダン・ディテクティブ以前の作家である。なんとその答は、そのあと腹を減らせた大食いの客人が訪れたから、なのだ。ある意味、裏の裏をかく形で現代の読者の意表を突き、モダンを突き抜けてハイパーモダンなのかも知れないが。