「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2016/05/28

「ある詩人への挽歌」

「ある詩人への挽歌」(M.イネス著/桐藤ゆき子訳/現代教養文庫)、読了。「幻の名著」と言ふほどではないが、確かに傑作。「月長石」のやうに語り手が次々交代して行く度、事件の見方も変はつて行くところが効果的で、単なる「月長石」の真似ではない。それから良く言はれることではあるが、冬のスコットランドを舞台にした雰囲気がとても良い。これは原書で読まないと本当の味が分からないかも知れないのだが、スコットランド方言で書かれてゐる部分もあるさうなので(おそらく主に「イーワン・ベルの記述」部分か)、難しいかな……でも、イネスを原書で読むのは後回しにして、次は「ハムレット復讐せよ」だ。

その他の読書は、「SF の S は、ステキの S」(池澤春菜著/coco イラスト・マンガ/早川書房)、「モンテ=クリスト伯爵」(デュマ著/大矢タカヤス訳/新井書院)。

休日なので少し手の込んだ料理をしようと思つて、昼食は十目焼きそば(豚肉、鶏肉、海老、烏賊、椎茸、筍、人参、キャベツ、もやし、絹莢)。「おとこ料理讀本」(矢吹申彦著/平凡社)のレシピによる。ここまで手間をかけても食べるのは一瞬だし、五目も十目も大差ない気もするのだが、確かに美味しいことは間違ひなく、もう少しだけ美味しくのために二倍手間をかけるのが料理かな、と。ちなみに夕食のメインは手間のかからない蒸し鶏。

明日の二倍手間料理はハンバーグの予定。