「夫子憮然曰、鳥獣不可與同羣。吾非斯人之徒與、而誰與。
「論語」微子、第十八、六

2017/02/28

二月から三月へ

二月最後の日である。朝は往訪ミーティング、午後からオフィスに戻つて、定例のミーティングと、来訪ミーティング。夕方退社。

歸宅して風呂に入つてから夕食の支度。大根と人参の寒天寄せと湯葉で赤ワインを一杯だけ。のち、生姜御飯の野菜カレー。

流石に今日はちよつと疲れた。早く寢よう。明日からはいよいよ三月だ。

2017/02/27

私の吐いた暴言に就て

オフィスで親会社が宣伝のため社員の写真撮影をしてゐた。さう言へば、かつて私も大學のパンフレットやゼミ紹介の写真撮影に何度もつきあつたが、この手の撮影は恥づかしいものだ。「黒板を指差しながら、楽しく議論してゐるやうな感じでお願ひします」とか。もちろん普段は、學生に「そこまで馬鹿な人間に數學をする資格はない。今すぐ田舎に歸つて親孝行しろ」と罵倒したり、灰皿を投げつけたりしてゐたのだが。嘘です。

私はとても優しい先生として知られ、御花畑のやうなゼミで評判だつたものだが、一度だけ學生に暴言を吐いてしまつたことがある。「自分が數學に向いてゐるか心配なんです」と言ふ學生に、つい心のままに、「心配ないよ。君は何にも向いてないから」と言つてしまつたのである。學生の顔色を觀て失言に気付いたが、既に遅し。そのせゐか彼は他大學の大學院に進學したやうだつた。

もちろん今の私ならば、さう言ふことは博士号をとつても職がなく非常勤講師で何とか食ひつないでゐる苦學者とか、それどころか既にパアマネントなポストにある人もが、苦悩の果てに漏らして漸く許される言葉であつて、學生ごときが口にすることではないのである、それにまた、君に才能があるかどうか私ごときに分かるはずもない、後世畏るべしの言葉通り、偉大な數學者になるやも知れぬし、どうにもならぬかも知れぬ、ただ、君がやりたいならやればよく、私にはさうとしか言へない、向いてる向いてないはどうでも良いことだつたのだといづれ君にも分かる日が來ることを願ふのみである、と、言を尽して述べたであらう。しかし、當時の私は未熟だつた。申し訳ない。

思へば、実は私も學生の頃、「自分は數學に向いてゐるだらうか」と指導教授に訊いたことがあるのだ。先生はかく曰はれた。「向いてゐると思ふ。ただし……就職の世話はしないよ」。流石である。格の違ひと言へようか。

2017/02/25

土曜日

休日の洋風朝食のあと、デリバティブ研究部会自主ゼミに出かける。重川「確率解析」より、T さんが Littlewood-Paley-Stein の不等式などについて発表。ゼミ後のランチは洋食屋にてメンチカツ。

歸宅して、粗大ゴミ出しなど雑用と、合間の讀書。夕方になり、風呂に入つてから夕食の支度。大根と牛筋の煮込みで赤ワインを一杯だけ。のち、湯豆腐、生姜御飯、油揚げと葱の味噌汁。

2017/02/24

月末の金曜日

今日は良い天気。しかし、正午頃にふと目を上げると、窓の外は青空なのに粉雪。思つたよりは冷える日になつた。

弊社のメンバに今日は「プレミアム・フライデイ」だと聞く。初耳である。なんと月の最後の金曜日には午後 3 時で仕事を終へて、買ひ物や二泊三日の週末旅行など消費に励め、と國が推奨することになつた、とのこと。虚構新聞の記事かと思つたら、本當らしい。

いつもより少し遅くなつたので、歸宅して先に夕食。いただきものの湯葉をさしみで。熱燗を五勺。のち、歸路で買ひ求めた押し寿司。冷酒を五勺ほど。

2017/02/23

ビッグ4

朝はあたたかい雨。今日はまた二十度近くまで気温が上がるらしい。平日お決まりの納豆定食の朝食のあと、いつものやうに少しラテン語の勉強をして、少しだけ ``Quantum Computing since Democritus" (S.Aaronson / Cambridge University Press)を讀み、出勤。

夕方いつもの時間に退社。歸宅して風呂に入つてから夕食の支度。大根と牛筋の煮込み、出來合ひの焼き餃子でワインを一杯だけ。のち、牛筋でとつただしの煮麺。

夜はなぜかふと思ひ立つて、「ビッグ4」(A.クリスティ著/中村妙子訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)を讀む。名探偵ポアロが、世界制覇を企む謎の四人組「ビッグ4」と戰ふ。その四人は、中国はもちろん世界の策謀の全てを影で操る陰謀の大天才の中国人、世界有数の大富豪であるアメリカ人、ベクレルとキュリー夫人の再来とも呼ばれる天才科学者のフランス人女性、ポアロすら殺人の芸術家と舌を巻く天才的暗殺者のイギリス人である。聞くからに馬鹿馬鹿しい、クリスティ畢生の駄作として名高い逸品。しかし私は何故かこの作品が好きだ。猫マーク(スリラー、サスペンス)の創元推理文庫版「謎のビッグ・フォア」(A.クリスチィ著/厚木淳訳)も持つてゐるくらゐ。

2017/02/22

ヤングマン

今日もかなり寒い。いつものやうに働いて、夕方退社。最近の歸りの車中の讀書は「横断」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ文庫)。

この小説の中に、年配の女性が若い主人公のことを「ヤングマン」と呼ぶところがある。確か、同著者同訳者の「告解」の中でも、引退した老教授が主人公をヤングマンと呼ぶ箇所があつた。おそらく凡庸な訳者ならば、「お若い方」とか「若いの」とか訳すものだと思ふが、これをそのまま「ヤングマン」とするセンスが流石、菊池光。

私もそろそろ(無駄に)経験豊かな老人として若者と話す歳になつて來たので、是非、これを使つてみたい。「それが人工知能だと? アラン・チューリングの二番目に有名な論文を御存知かな、ヤングマン」とか、「インタネット? ほんの半世紀ほど前のことだがテッド・ネルソンと言ふ男がザナドゥ計画と言ふものを唱へておつたのぢやよ、ヤングマン」とか。

2017/02/21

浩然の氣

今日は良い天気だが、北風が吹いて気温も低い冬らしい日。

今日もいつもの通りに仕事を終へて、夕方退社。歸路で買ひ物などしてゐたら遅くなつたので、歸宅して、先に夕食の支度。御飯が炊けるまで、大根と牛筋の煮物で熱燗を五勺。のち、時鮭、豚汁、焼き海苔、御飯。

夜はホットカーペットに猫と並んで、お互ひ心靜かに浩然の氣を養ふ。これからお風呂。

2017/02/20

黒猫亭事件

晝間はまた 20 度近い陽気だつたやうだが、夕方から気温も下がつて雨。小雨だと油断して傘を持たずに歸つたら、けつこう降られた。

歸宅して、まず風呂に入つて身体をあたためる。のち、夕食の支度。熱燗五勺ほどで、大根と牛筋の煮込み。のち、大根、人参、蒟蒻、豆腐、葱で、けんちん蕎麦。冬はかういふ感じがいいね。

夜は古谷一行の金田一耕助シリーズ「黒猫亭事件」を觀る。この黒猫はクロと言ひまして、この店の看板猫であります。

2017/02/18

おでん

十時間寢て八時起床。百合に水をやり、サンセベリアを点検し、猫に水とキャットフードをやり、自分に果物とチアシード入りヨーグルトとクロワサンと茹で卵と珈琲をやり、おまけに猫に「ちゅ〜る」をやる。マタタビ系のものでも含有してゐるのか、この吸引力は怪し過ぎる。

朝風呂に入つて、湯船で  "Too Many Clients"(R.Stout / Bantam Books)を讀む。時々、この時代の米俗語が分からないが、イネスに比べれば遥かに読み易い。しかしスタウトは時折かなりひねつた表現をするので、頭の体操になる。序盤は快調。

銀行口座の残高が心許無いウルフ一家。ウルフが鯨飲するビールと美食と蘭の費用、料理人フリッツと蘭の世話係セオドアと部下アーチーの給料をやりくりしなければならない上、納税の時期まで迫つてゐる。ウルフ家の経済に心を痛めるアーチー(ここまでシリーズのお約束)。そこに待望の依頼人が来訪。依頼人イェーガーは大会社の役員で、今夜、自宅から指定の場所まで行く間に、誰かに尾行されないか見張つて欲しいと言ふ。段取りしたアーチーは、依頼人が自宅から出かけるのを待つが、誰も現れない。イェーガーは既に殺されてゐたのだ。しかし、被害者の写真を見ると依頼人とは別人、つまり、依頼人はイェーガーを名乗る偽者だつたのだ。何がどうなつてゐるのか……と言ふところまで。

晝食は土曜日お決まりのお好み焼きとビール。これが私の小確幸。食後に少し晝寢をしてから、午後は原稿の推敲仕事と、夕食のおでんの仕込み。お三時にシュークリームと珈琲。夕方再び風呂に入つてから夕食の支度。おでんで冷酒を一合ほど。のち、おでんのだしをのばして味噌で少し味を整へ、油揚と葱を刻み入れて煮麺。

2017/02/17

春一番

「古楽の楽しみ」のリクエスト特集に金曜日を感じる。古楽はわりに狭い世界なので、リクエスト特集をすると、奏者がレオンハルト、クイケン、アーノンクール、ブリュッヘン、ビルスマ、鈴木秀実、などとお決まりばかりになつてしまふのが難点ではある。

朝から温かい。特に晝間は春の陽気だつた。ものすごい風は、春一番だつたのだらうか。いつもの時間に出社して、いつものやうに働き、いつもの時間に退社。夕方には、また空気が冷たくなつてゐた。

帰路、握り鮨を買つて歸宅。風呂に入つてから夕食。冷酒を五勺で鮨。石蓴の味噌汁。食後に包種茶。やれやれ今週も何とか無事に過せた。

2017/02/16

依頼人が多過ぎる

今日、明日は随分温かくなると聞いてゐたが、朝はそれほどでもない。今朝から車中の玉上「源氏物語」は第九巻、「早蕨」の帖に入つた。通勤時間で全十巻を讀み終へる目論見だが、どうなるか。

夕方退社して歸宅。まづ風呂。湯船の讀書は、今日から "Too Many Clients"(R.Stout / Bantam Books). 言はずと知れたネロ・ウルフもの。私はかなり好きなシリーズなのだが、何故か日本ではあまりうけず、翻訳もあまりされてゐない。私の知る限りでは、レックス・スタウトを絶賛してゐたミステリ評論家は中島梓(栗本薫)くらゐではないか。(まあ、彼女の視点がある意味、腐つてゐたのかも知れないが。)私は老後の楽しみとして、このシリーズの未訳本を讀んで行く予定である。

夕食の支度。筍と蒸し鶏の和へものでワインを一杯だけ。のち、親子丼、えのき茸と葱の味噌汁。

2017/02/15

"The Paper Thunderbolt" とボドリアン図書館

税務署詣でをしてから出勤。普段より少しだけ遅く出社。午後は新宿に往訪。夕方に終了次第、かなり早いがそのまま歸宅。

まづ風呂。湯船の讀書は "The Paper Thunderbolt" (M.Innes / Penguin). 平日毎日、湯船で2、3ページづつ讀んでゐたものが、終に讀了。半年くらゐかかつた。イネスらしいと言へばイネスらしい怪作か。絶対に翻訳もされないだらうし、わざわざ讀む日本人もほとんどゐないと思ふので、あらすじを書いてしまふ。

小悪党が偶然、惡の組織の秘密基地に入り込み、その重大な秘密を盗み出しての長々と續く逃走劇の一方、オックスフォードでは大學関係者たちの失踪事件が発生、この二つのストーリィの焦点は田舎村にある療養施設で、これこそが例の秘密基地。そこでは、人間を対象に邪悪な研究と実験が行はれてゐた。アプルビイ兄妹始め善玉たちは基地を破壊することに成功する。しかし、小悪党が持ち出した「秘密の公式」が書かれた一葉は、ボドリアン図書館の書庫の膨大な書物のどこかに紛れ込んでしまつた。広大な書庫での善玉悪玉の追ひかけつこの末、意外な黒幕が明らかになるのだった。以上。

そもそも始まりの逃走シーンが長い、長過ぎる。意味なく長い。また、秘密基地の強襲に、小悪党の逃走劇に偶然関係した子供たちが自転車隊を組んで仲間入りするところなど、これまた意味のないドタバタもあり、あちこちがイネス風味。最後のボドリアン図書館書庫の場面は、登場人物から「ピラネージのやう」と評される重厚な雰囲気が良し。その他は……特に印象に殘らない。多分、イネスらしい駄作。イネスのマニアか、研究者以外には讀む価値がないと思はれる。

ところで、私はボドリアンの自然科学系の分館には一年ほど日参してゐたが(ちなみに、殺風景かつ現代的な図書館である)、良く考へたら、ボドリアン図書館そのものには一度も足を踏み入れなかつた。残念なことをしたものである。ラドクリフ・カメラに二、三度行つてその雰囲気に満足してしまつたものと思はれる。

2017/02/14

百合とひよこ豆

昨夜、花瓶がカサブランカの重さに耐へ兼ねて倒れる事故。茎が折れてしまつたので、やむをえず花毎に小枝に切り分けて、デュラレックスのグラスなどに生ける。

今日の午後は夕方まで休みなく續けてミーティング三昧で、疲れた。遅くなつたので歸宅して、まず夕食。まともな料理をする氣力がなく、かけ蕎麦に茹で卵と葱と揚げ玉。のち、いただきもののひよこ豆の煮物で、赤ワインを一杯だけ。

さて、これからお風呂。

2017/02/13

えびまよ

さてまた月曜日だ。平日お決まりの納豆定食のあと、ラテン語の勉強をし、「キューネン 数学基礎論」(K.キューネン著/藤田博司訳/日本評論社)を讀む。一日精々が數ページだつたので数ヶ月をかけて、終に讀了。集合論について興味の焦点が分かつたのが収穫。教科書としては、あれこれ書き過ぎてゐるし、あまり見通しの良い本とは言へないと思つたが。

歸宅して風呂に入つてから夕食の支度。海老マヨネーズでワインを一杯だけ。のちに、蒸し鶏、さらに、そのだしをのばして、汁かけ飯。うまい。体調はもう一つだが、今日も平穏で良い一日であつた。

夜はホットカーペットに猫と並んで、「荘子物語」(諸橋轍次著/講談社学術文庫)を讀んだり。

2017/02/12

7×7=49

休日用の手抜き洋風朝食を済ませたあと、朝風呂。午前中は所得税の確定申告書の作成。晝食は昨日の十目焼きそばの材料の殘りの烏賊や海老を使つて、いつもより贅沢なお好み焼きでビール。食休みのあと午後は、PC 類の廃棄、口座の整理の他、家事をあれこれ。

夕食の支度。冷奴、烏賊と筍と絹莢ともやしの塩炒めで、リースリングを一杯だけ。のち、豚肉の生姜焼き、押し麦入りの御飯、豚汁。食後に包種茶。夜は心靜かに「荘子物語」(諸橋轍次著/講談社学術文庫)を讀んだり。


2017/02/11

デヴュー?

8 時起床。洗面所で鏡を觀ると左目の瞼が腫れてゐる。働き過ぎかなあ。または花粉症デヴュー? 休日用の洋風朝食のあと、朝風呂。午前中は PC 類の廃棄処分の手続き、食材の買ひ出しなど。

晝食は十目焼きそばでビール。手間がかかる割に食べるのは一瞬。これが料理のダンディズム。食休みしてから、所得税の確定申告書の下書き作り。今年から「マイナンバ」のおかげで面倒さがさらにアップ。早く引退して所得をなくしたい。珈琲とシュークリームのお三時のあとは、主に讀書など。原稿の推敲作業を少し。

夕方再び風呂に入つてから夕食の支度。生春巻と、レトルトのカレー。ワインを少々。夜も安靜に過す。

2017/02/10

今日も雪

今日は一日晴れかと思つてゐたのだが、昨日と同じく仕事の手を休めてふと目を上げるとオフィスの窓の外は雪。群鶴ノ毛ヲ振フガ如シ。家で留守番をしてゐるクロさんやムラサキさんは大丈夫だらうか、としばし物思ふ。

夕方からの親会社の全体会議を終へて、退社。今日から帰路の讀書は「横断」(D.フランシス著/菊池光訳/ハヤカワ文庫)。歸り道で百合を買ひ、焼き餃子を買ひ、歸宅。遅くなつたので先に夕食。百合と猫を眺めつつ、ビールで焼き餃子。ああ、今週も何とか大過なく暮らせた。

嗚呼、君よ、「この一杯のために生きてるんだなあ」などと馬鹿なことを言ひながらビールを飲んでゐる週末のサラリーマンを蔑んでくれるな、彼らは確かに君より頭が惡く、要領が惡く、不幸で、自由を知らぬのだらう、それでもなほ死なずに前向きに生きてゐるだけ立派ではないか。

2017/02/09

雪と霙

仕事の手を休めてふと目を上げるとオフィスの窓の外は雪。道理で朝から冷えると思つた。家のクロ(老猫、雑種、雌)とムラサキ(観葉植物、Sansevieria ehrenbergii Samurai)は大丈夫だらうか……と思ふ。西の方は大雪らしい。み吉野の山の白雪つもるらしふるさと寒くなりまさるなり。(是則)

夕方退社。外は、冷たい霙。車中で「ダルジールの死」(R.ヒル著/松下祥子訳/ハヤカワ・ミステリ 1810)を讀了。ダルジールが意識不明の重体のまま、パスコー大活躍の巻。ミステリと言ふよりは大河小説になりつつあるが、後期では出來の良い方か。ダルジール警視シリーズはあと二冊だが、また明日からはディック・フランシス。

歸宅して風呂に入つてから夕食の支度。茹で卵と生野菜のサラダ、牛脛肉のカレー。赤ワインを一杯だけ。今日も何とか無事に過せた。寢るまでに、少し推敲仕事ができれば上々吉。

2017/02/08

立ち仕事

高さ可変のスタンディングデスクが新オフィスに導入されたので、試しに使つてみる。腰への負担は少ないが、立ち續けてゐるのはやはり疲れる。輕く後ろに凭れられるものがあると、もつと良いのだが。結論として、普段は椅子に座つて仕事して、気分転換に時々、半時間ほどスタンディングデスクで立つて仕事、くらゐの感じが良いかな。

いつもの時間に退社して歸宅。風呂に入つてから夕食の支度。南瓜の塩蒸しと冷奴(生姜醤油)で熱燗を五勺。のち、長葱と茹で卵と揚げ玉のかけ蕎麦。

最近買つた本がたまつて來た。積読状態の本を斜め讀みする夜。ちなみに私は自宅では、仕事も讀書も全てカーペットか寢台に寢転んでしてゐる。

2017/02/07

數學者の尻尾

毎朝、ちよつぴりづつ讀み續けてゐた「キューネン 数学基礎論」(K.キューネン著/藤田博司訳/日本評論社)がいよいよ最後の章の最後の節に入つた。ゲーデルの不完全性定理とか。おそらくあと一週間程度で讀み終へられるのでは。意外と進むものだなあ、と。

しかし一方では同じやうに毎日勉強してゐる "Wheelock's Latin"(F.M.Wheelock & R.A.La Fleur / HarperCollins)は未だに第 XI 章をやつてゐる。このテキストは全 XL 章、つまり全 40 章なので四分の一程度。未知の言語を學ぶのは難しい。數學も一種の言語だが、私も二流以下の三下だつたとは言へ、もと數學者としてこの言語の一通りは尻尾の先に畳み込んでゐる。新しい數學分野を學ぶ苦労も、今さらラテン語を學ばんなどと言ふ無茶に比べればさほどではないらしい。

朝の勉強のあと出勤して、いつものやうにお仕事をして夕方退社。歸宅して風呂に入つてから夕食の支度。生野菜に生姜醤油ベースのドレシング、出來合ひのポテトコロッケ、牛脛肉のカレー。赤ワインを一杯だけ。夜は老猫と人生に就て語り合ふ。つい話し込んで長くなつてしまつた。

2017/02/06

オフィスの移動

オフィスを引越した。と言つても、親会社の事情で同じビルの中を二階上に移動しただけだが。夕方からオフィスで引越しパーティがあり、手巻き寿司を少しご馳走になつてから退社。晝間、有明の方に往訪仕事に行つたときには温かかつたのに、随分と寒い。

歸宅して風呂。湯船の讀書は  "The Paper Thunderbolt" (M.Innes / Penguin). いまだに讀んでゐるのだが、流石にもうすぐ終はりさう。あと 30 ペイジくらゐだらうか。

今日も往訪したり、パーティで卓球したりと、大いに疲れた。夜は「ブッデンブローク家の人々」(T.マン著/望月市恵訳/岩波文庫)の續きでも讀んで、ゆつくりしたい

2017/02/04

猿若祭二月大歌舞伎

八海山純米吟醸を一合ほど水筒に詰め、三越の地下の寿司屋でお弁当を調達して、歌舞伎座へ。「猿若祭二月大歌舞伎」晝の部を觀劇。

猿若に勘九郎、出雲の阿国に七之助の「江戸の初櫓」は猿若祭にふさわしくもおめでたく幕開けによろし。七之助は相変はらず綺麗。

「大商蛭子島」も清左衛門(実は北条時政)に勘九郎、おます(実は政子の前)に七之助。主役は正木幸左衛門(実は源頼朝)に松緑、おふじ(実は辰姫)に時蔵。危なげのない配役だが、松緑は柄として頼朝といふ感じがしない。

黙阿弥原作の白浪もの「四千両小判梅葉」は富蔵に菊五郎、藤岡藤十郎に梅玉。さすがに、安心して觀てゐられる。とは言へ、通しではなくて、上演される場面が少ないため、牢屋の風俗の面白さだけが眼目になつてしまふ感もあり。

夜の部は中村屋のお子さん方の初舞台のためか大入りでほとんど席が取れないやうだが、多分そのせゐで晝の部は空いてゐる。

2017/02/03

パクチー責め

昨夜は飲み過ぎ食べ過ぎだつたので、朝食は簡単にチアシード入りのヨーグルトと珈琲だけ。朝一番の往訪仕事のため即、出勤。ラテン語の勉強時間とお弁当を作る時間がとれず。今週は風邪氣味だつた上に、イレギュラなイベントが色々とあつて疲れてゐる氣がするので、今日はかなり早い時間に退社。

歸宅してお風呂のあと夕食の支度。鶏レバと茹で卵のウスターソース漬けにパクチーで赤ワインを一杯だけ。のち、パクチーの殘りを一気に消化するため、タイ風の春雨サラダにパクチー、海老カレーにパクチー盛り、とパクチー責め。特に好きなわけではなく、料理によつてはあるべきだなと思ふ程度なのだが、少しだけ買ふわけに行かない。そのため、かう言ふことになつてしまふ。

今日は久しぶりにゆつくり寢られさう……

2017/02/02

焼き肉

今夜は、弊社が初の通期黒字になつたと言ふことでお祝ひをしてゐただいた。ホルモン焼き肉の店だつたのだが、焼き鳥屋のやうにお店の人が全て焼いてくれるのが画期的だな、と感心した。普通は各人が勝手勝手に焼くので、会話に夢中になつてゐる間に、焦して炭にしてしまつたりするものだが、お店の人が段取り良く焼いてくれて無駄がない。樂だし、食事と会話に集中できて結構だ。

そして今、歸宅。これからお風呂。明日は朝一番で往訪仕事があるので、早く寝なければ。

2017/02/01

海鮮粥

昨夜は遅くまで飲み食べしてゐたので、今日の朝食はあつさりと、チアシード入りのヨーグルトと珈琲だけ。ラテン語と基礎論の勉強のあと出勤。

晝食は近所の台湾料理屋にて、小籠包と海鮮粥。お粥がとても美味しかつたのだが、量が多くて困つた。何とか食べ切つたけれども、お粥を丼一杯食べるといふのは日本人のセンスではないやうに思ふ。雪平から呑水かお手塩にとつて、少しづつ食べるものでは。

今日は特に予定がなかつたので、マイペースであれこれ仕事が出來て、いつもと同じ時間に退社。歸宅して、風呂に入つてから夕食の支度。鶏レバのウスターソース漬けで赤ワインを一杯だけ。のち、パクチーを多めに盛つた海老カレー。夜も心靜かに暮らす。